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モルテーニの世界 【福岡|リノベーション|レトリック】
- 2025.07.2 / ARCHITECTSCONSTRUCTIONINTERIORTRIP
- 宜本 繁紀 CEO
シャチョウ 兼 CEOの宜本です。
レトリックに連日数多くのお問い合わせをいただき、ありがとうございます。
以前の投稿から かなり間が空いてしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は6月中旬から沖縄3日、東京3日、鹿児島2日と連続出張が続き、7月はグループ1社の決算と慌ただしい毎日です。
例年通りの株主総会シーズンでしたが、某プライム上場企業の総会~役員との昼食会、投資案件の打ち合わせ等々。
東京滞在を1日延長して、ある案件の内装プランの打ち合わせに、今期リニューアルオープンしたパラッツォ・モルテーニ東京に出向きました。
ブランドの詳細は長くなりますので、コーポレートサイト等をご覧いただくとして…
個人的にはモルテーニ(Molteni&C)はシステム収納、家具ブランドのイメージが強かったのですが、初めて世界観を体験した結果、トータルコーディネートブランドと大きく印象が変わったというのが正直なところです。


この南青山に佇む建物自体も、モルテーニではワードローブのデザインで有名なヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン(ベルギー)自身が設計。
地下1階、地上3階の4フロアの建物をよく観察すると、日本の建築基準法や消防法をクリアするのに東京の実施設計、施工部門は相当苦労しただろうな…これは想像に難くないものでした。




当日はオープン直後に予約を入れていただきましたが、次々とプロっぽい集団が見学にいらしており、残念ながらあまり撮影ができず。
ターゲット毎に熟慮されたフロア割りがなされており、広さと高さを活かした圧巻の意匠空間でしたが、どうしても職業的に細かい構造美やギミックが気になります。

例えば…写真ではわかりづらいですが、キッチンバックセットのシェルフ(粉体塗装の鉄製)。
陶器が載っている板は、奥から手前にかけて強度限界まで薄くなるように両面にテーパーがかけられています。
厚いとどうしても野暮ったい=視覚的な美意識を追求したものですが、製造から施工までよほど自信がないと難しいもの。

3連のガラス吊戸、かなり高さがある=重いのですが、薄い+ぴったり重ねられる仕様。
ガラス+枠の重量を鑑みると「これで剛性大丈夫か??」と思うほど上部のヒンジも相当小ぶりで美しく、開閉もスムーズです。
(ガラスに足が映っちゃってるのは御愛嬌。)

モルテーニのお家芸であるワードローブ。

ちなみにワードローブのユニット自体で空間を仕切っており、構造壁はありません。
扉を開けると通路が生まれ、まるで隠し部屋のような寝室に繋がるギミック。

このシェルフだけは個人的に眩しすぎてストリップ(ライン照明)が若干煩いなぁと思いましたが、些細なものも含めて全ての作り込み、精度が本当に素晴らしかった。
ポリカーボネート製のシェーディング用アタッチメントも自社専用設計とのこと。
弊社のリノベ案件でのベースデザインについて、最近は殆ど口を出しておりませんが、直近のサンリベラ天神では照明機器と照度の検討、施工後の細かい収まりについては、何度もやり直させました。
誇張ではなく、もはや間取りの検討、ベースデザインはAIでもできます。
また新しい設備や商品などは、SNS等でいくらでもご自身で情報収集できる時代です。
弊社内では、念仏のようにノイズレス、ミニマルという言葉だけが独り歩きしていながら、空間デザインにおいて完璧でなければならない部分、総じて緻密さが疎かになっている事象に多々違和感を感じる毎日ですが、「この違和感に気づけるのか」これがプロとアマチュアの差であるはず。
まだまだ社内の知識、美意識レベルの底上げが必須だなと感じざるを得ないツアーになりました。
インテリアコーディネートに関してもお気軽にお声掛けください。
それでは次の機会にまた。
※サンリベラプライムレジデンス天神大名のパンフレットを制作、ご用意がございます。
ご覧になりたい方は数に限りがありますので、お早めに。
