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最後の晩餐に何を食べたいか考えていたら泣きそうになった話

最後の晩餐に、何を食べますか

最後の晩餐といえば、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を思い出す。キリストが処刑される前夜、弟子たちと最後にとった夕食。もし明日が最後だと分かっていたら、私は誰と、何を食べるのか?

 

日常に埋もれる大切なもの

こんな問いを自分に投げかけてみると、複雑な心境になる。今まで何を大切に生きてきたんだろう。SNSばかり見て人と比べて落ち込んだり、「もっと頑張らないと」と思ってストレスを感じたり。いつも、大切なものから目を逸らして、どこか遠くばかりを見ている。人生なんて大切な人と穏やかに過ごせることが一番幸せなのは分かっているはずなのに、いまあるものに目を向けずに「足りない」「不安感」「焦燥感」にとらわれてしまう。

 

二度と味わえない「あの味」

以前、母親を亡くした先輩が言っていたことがずっと心に残っている。「昔お母さんが作ってくれた煮物も、味噌汁も、自分で作ってもお母さんの味にならない。懐かしくなって食べたくても、もう二度と食べられないんだなって」「だからさ、浅田ちゃんも、お母さんやお婆ちゃんの料理は写真に撮って、ちゃんとレシピを残しておくんだよ」。先輩の、お母さんと一緒に過ごした時間や、食卓を囲む風景を想像してしまってなんだか胸がギュッとなってしまった。

 

 

穏やかに過ごせるとしたら

もし明日死ぬことが分かっていて、死への恐怖感や未練もなく穏やかにその時間を過ごせるなら。あえて言うなら最後の晩餐として、実家の雑煮と昆布巻きを食べたい。かしわ肉と椎茸と昆布のだしの雑煮。祖母が作る鯖の昆布巻き。正月の澄んだ朝の空気と一緒に思い出したい。祖母と大きな昆布を探して市場を歩き回ったこと、大きな鍋いっぱいに作って、持って帰れないくらいタッパーに入れて持たせてくれたこと。

 

今年の年末は

「晩餐」という言葉は特別で豪華な食事を想像してしまうけど、家族と普段通りに食卓を囲めたら何でもいい。当たり前にある日常を大切にしていきたい、とこのブログを書いていて改めて思う。この年末は、祖母と母と一緒に料理をする。雑煮の作り方を教えてもらって、昆布巻きの巻き方を習って、写真を撮って、レシピを残す。最後の晩餐は、まだ先だと思うけど、懐かしくなったときにいつでも作れるようにしておきたい。

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この記事を書いた人浅田純乃 株式会社メイヴス WEBディレクター
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