Instagramを見ていると、ふと自分の生活がかすんで見える瞬間がある。

誰かの旅行、記念日の写真、整った部屋。

どれも素敵で、「いいな」と思うのに、心の奥では少しだけざわつく。
 

私は日常に満足している。

私はまわりの人にはとても恵まれており、環境にも恵まれている。

大切な人もいるし、好きなこともある。

それでも、Instagramを開くと、他の人の芝生がどこまでも青く見える。

きっとあの人たちも、見えないところで悩んでいたり、落ち込んだりしているのに。

頭では分かっているのに、心は追いつかない。
 

比べても意味がないことは分かっているのに、つい他人の“幸せの一瞬”と、自分の“日常”を比べてしまう。

それはたぶん、自分の中に「幸せの正解」を探そうとする気持ちがあるからだと思う。

どう生きれば正しいのか、何を持てば満たされるのか。

その答えを、誰かの投稿の中に求めてしまう。
 

でも、幸せや正解は、人の数だけあっていい。

写真の向こうの幸せと、私の幸せは、きっと形が違う。

最近は、少しだけスマホを閉じて、自分の時間に戻るようにしている。

ぼんやりと過ごす休日。最近は、登山や散歩にもハマっている。

所謂、デジタルデトックス。
 

そんな何でもない瞬間に、「これでいい」と思えることがある。

正解が分からないままでも、自分のペースで歩ければ、それで十分なのかもしれない。