MEMBER BLOGブログ

真髄を極める

こんにちは、シャチョウです。

 

今年からはじめたバラ栽培。春からずっと花を咲かせずに蕾ができては~取るの我慢を繰り返して、株を大きくすることに注力してきました。

今週頭から摘蕾するのをやめ、やっと秋の開花シーズンを楽しむところまで来ました。バラ栽培は難しいと避けていましたが、意外と素直な樹木かも。

私と同じ世の中年親父のみなさん、ロザリアンを目指してはいかがでしょうか。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

今回のテーマは「後世に残したいもの」。

アート、芸術や音楽、残るといいなぁと個人的に思っているただの趣味、嗜好はあるけれど、日本の職人の話。

 

私は製鉄所=(鉄を溶かして型に流して各製品を作るところ)で工場を動かしたり、新しくプラントを作ったり、設備のメンテナンスを行う会社も経営している。

新卒で不動産業界に進んだ私には全く畑違いだったこの業界、時間が立つのは早いものでも20年以上携わっている。

まだ20代だった私は、何でも理解且つ自分でやれないと気が済まなかったので(今でもそうだが)ありとあらゆる資格、免許を取った。

アーク溶接、ガス溶接、フォークリフト、車両系建設機械、移動式クレーン、足場組み立て、石綿、酸欠硫化水素、有機溶剤、鉄骨組み立て、研削といし等々…自分でもいくつ資格があるのか覚えていない。

そうやってあらゆる武装を経て、そこそこはこの業界でも仕事ができる、そう思いはじめた35歳頃、同世代のK氏に出会った。

 

彼は高校卒業後、鉄骨鳶という職一本、小さいながらも自分で会社を起こした人物だった。

鉄骨鳶というとあまり馴染みがないかもしれないが、建設現場でビルや高層建築などの鉄骨を組み上げ、建物の骨組みをつくる専門職。

超重量、超長尺である鉄骨をクレーンで吊り上げ、あっちこっちに回転、振り回しながら高所で組み立てを行うので、一歩間違うと命の危険がある難易度の高い仕事である。

彼は超高層鉄塔の電球交換をしたりと、既に業界でも名が知れ渡っていたが、兵庫県のあるプラント更新工事で下請けとしてきてもらった。

 

その現場は無茶な客先の要望もあって、25名×2交代、24時間体制での工事。どこかでミスがあれば絶対に納期が間に合わない状況下、思いがけないトラブルが発生した直後に彼が社員1名を連れて兵庫に到着。

工程のズレとまずい状況を詳しく説明している最中、なぜかずっと涼しい顔をしていた彼は「多分大丈夫ですよ」と一言だけこぼした。

 

すごく単純に聞こえるかもしれないが、全く左右非対称の構造物のどこが重心なのか、重心からどの程度ずらして吊り上げれば狭いところを通過するか、吊荷のどこを押さえれば構造物がどういう動きをするのか。

物をみて一発で見定め、涼しい顔をして構造部材を完全に手足のように動かして組み上げていくそのスキルを目の当たりにした私は、ただただ感動するとともに「真髄を極める」ということをはじめて知った気がした。

 

すでに建設機械は運転しなくてもGPS内臓のリモコンで動くし、難しい溶接でもロボットがするし、建設分野もBIMやAIを使った技術革新が目覚ましい。

しかし、鉄骨鳶の仕事は99.99%人間の技術、それも超一流のプロフェッショナルじゃないとできない。

昔でいうホワイトカラーとブルーカラーの存在価値が逆転すると言われているが、全くそのとおりだと思う。

 

それから何度か彼の超一流の仕事ぶりを拝む機会があったが、いつも彼の連れてくる社員は違う人間なので「あの子はどこいったの?」と聞いてみた。

「いや…あの子は辛いという理由で辞めました。その前の子もきついからって辞めました。この仕事は下手すると死ぬので甘いやつは要りません。」と笑っていたが、あの仕事のスピードをみると辞めた子の気持ちもわからなくもない。

 

どうか彼には少し譲歩してもらって、日本の、世界のために次期スーパースターを育ててもらいたいと切に願っている。

ではまた。

 

このポストをシェア
X threads コピー

この記事を書いた人宜本 繁紀 社長 兼 CEO
> 担当者の記事一覧はこちら

福岡県北九州市出身。
手元にあるお金は全てレコードと服に費やし、バイトとマリンスポーツに明け暮れる学生時代を過ごす。個人/法人の投資用不動産、ポートフォリオ構築が得意。インテリア全般にも造詣が深いが、イルマリ・タピオヴァーラの醸し出すムードが好き。現在社員200名超、グループ6社。
憂鬱はデフォルト、常に寝不足。

Instagram
Instagram
LINE
LINE
Instagram
Instagram
LINE
LINE
CONTACTお問い合わせ